大水青の嬌声

鷺森灼ちゃんとボーリングしたい

謎のバンド『Ave Mujica』のメンバーの正体は?学歴は?元カノの画像流出?調べてみました!

元カノ

いかがでしたか?



はい、お久しぶりの記事になってしまいましたthzaqです。

ちょっとツイートしたり飲み会とかのオフラインで話したら満足しちゃうので下書きだけ無限に溜まっていくアウトプット下手オタクです。
この記事も5話の放送後に書き始めて結局脱稿は9話以降になってしまいました。
長い記事ですが、お付き合いください。

今回は未だに謎の多い『Ave Mujica』について、備忘録代わりにレポートをしていきます。

※2024年2月27日追記
この記事の全文が海外の有志によって英訳されていたので、英語で読みたい方はこちらをどうぞ。
English version is here.
yachiyo.notion.site

『Ave Mujica』って何?

Ave Mujicaはガールズバンドメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』(バンドリ)においてMyGO!!!!!に続いて現れたバンドリ9組目のバンドです。

このバンド名が初めて世に出たのは2023年2月4~5日開催の『BanG Dream! 11th☆LIVE』の入場者に配られるチラシでした。

11thライブで配られたチラシ

チラシには「Masquerade 2023年6月4日(日)」という日付のみ書いてあり、当初はバンド名であることすらはっきり分かりません。
裏面にはQRコードが書いてありホームページに飛べますが、4/10までを刻む怪しげなカウントダウンと6/4に中野サンプラザで行われるらしいAve Mujicaに関するイベントの先行申込のページのみでやはり情報はありませんでした。

現在絶賛放映中の宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』のプロモーションに関して「これだけ情報に溢れている時代、情報が無い事がエンタメになる」というような意見を散見しますが、このAve Mujicaのプロモーションには少し近いものを感じます。

ですが、一連のAve Mujicaのプロモーションをもっと的確に例えるなら「覆面レスラー」と呼ぶべきでしょう。

ブシロードの木谷社長は大のプロレス好きで、新日本プロレスやスターダムをブシロード傘下に加えている程。「バンドリで覆面レスラーをやろう」という鶴の一声があってもおかしくない筈です。

そんな謎多きAve Mujicaがどのような立ち位置の存在なのか、まずはMyGO!!!!!について解説しなければなりません。

MyGO!!!!!

MyGO!!!!!は2022年4月29日に突如発表されたバンドリ8組目のバンドであり、「"現実"(リアル)と"仮想"(キャラクター)が同期するバンド」というテーマで誕生しました。

MyGO!!!!!の一番の特徴は2023年4月9日開催の『MyGO!!!!! 4th LIVE 「前へ進む音の中で」』まではキャストを伏せた形で活動していたことで、ライブでもステージ上をほとんど照らさず、Youtubeにて配信するラジオ『迷子集会(マイゴセンター)』も『ガールズ ラジオ デイズ*1』のようにキャラクターとしてトークするものでした。
(ライブの前方の客にはある程度キャストの顔が見えてしまいますし、声で声優が分かってしまう人も当然いましたが…)

MyGO!!!!!の楽曲は「夢を見るための応援歌」としてのバンドリの楽曲の、屈託ない歌詞とは趣向が少し違い、悩み多くも等身大な想いを吐露する「生っぽい」歌詞が多く、年頃の若者の憧れ*2になるものというよりは年頃の若者が共感しやすいもの
キャストが伏せられていたことも、先入観なく楽曲に触れられる点で上手く作用していました。


www.youtube.com

「"現実"(リアル)と"仮想"(キャラクター)が同期する」という触れ込みも、現実を生きる視聴者(特に若者)が同期=共感しやすいもの、という意味ではないでしょうか?
少なくとも発表された当時は「Vtuberなのでは?」という不安の声が多かったですが、これは杞憂でしたね。

これらの方向性はボーカロイドやインターネットミュージック世代向けという意味で『プロジェクトセカイ』(プロセカ)の影響下なのでは?と思ってしまいますが、プロセカのリリースは2020年秋、MyGO!!!!!&Ave Mujicaのキャスティング時期などから推測できるプロジェクトの始期はもう少し前なので、これは保留にすべきでしょう。

YouTubeの再生数はMyGO!!!!!が30万程度なのに対し、プロセカには3000万再生なんてものがあるくらいなのでその辺のファン層にもっと上手くリーチできればいいのですが…


www.youtube.com

…少し脱線しました。

MyGO!!!!!は4thライブでアニメ化の情報公開と共にキャストを明かしますが、バンドリの世界観に一石を投じる存在としてMyGO!!!!!がキャストを伏せて活動していたことには意義がありました。

そんなMyGO!!!!!のお披露目と入れ替わるように活動を始めたのがAve Mujicaです。

仮面の少女たち

最初の触れ込みは「…ようこそ。Ave Mujicaの世界へ」。

Ave Mujicaはキャストを伏せているだけでなく、メンバーのキャラクター名やパーソナリティも伏せており、そのキャラクターも仮面を付けていて素顔が分からないなどMyGO!!!!!以上に謎の存在です。

また、その楽曲も陰鬱なもので既存のバンドリとはやはり趣向が違います。

歌詞の内容はネガティブでダークな世界に誘惑するような内容で、同じ黒陣営でも誇りと勇気を歌うRoseliaや世界の変革を歌うRAISE A SUIRENとは異なります。

これまでの自分を捨てて生まれ変わる」「空虚な日々から刹那的な快楽へ」という思想が強く、アプリ『ガールズバンドパーティー』やアニメ等で"初期衝動"や"約束"を重んじ、過去を積み重ねた成長を描いてきたバンドリの既存バンドの思想とは相反するもので、特にPoppin'Partyが歌う「CiRCLING」「過去と未来と地続きの"今"」「夢」「日常の煌めき」とは真逆と言えるでしょう。

あの日のキラキラ 覚えてますか?
それは もう思い出ですか?
タイムマシンで行く場所は ひとつ
"現在(いま)"しかないんだ!


二重の虹(ダブルレインボウ) / Poppin'Party

「瑠奈、私たち何度でも生まれ変わるの!


プレリュードもマスカレードも続いていく。
終わって、また始まって、
今が一番古くて
今が一番新しいの。


だから、今を楽しまないといけないの!」


カクセイヘノウタ -招待- / 莉伽

ねえ、始まりはきっと
遥か昔から ずっと
神様が決めてたこと
なんて思うほど素敵な毎日


イントロダクション / Poppin'Party

神さま、バカ


神さま、バカ / Ave Mujica

また、RAISE A SUILENとAve Mujicaは世界に絶望している点は一緒でも、自他を含めた有機的なフィードバックが描かれているRASと無機的個人主義的な転生を呼びかけているAve Mujicaでは大きな差があると言えるでしょう。

RASの場合、己の出生と才能に絶望したチュチュは自らの手でこの世界=地獄を変えるべくRASを作りますが、自らが集めたメンバーたちから送られた『Beautiful Birthday』により世界(内面的)が変化し、救われます。

初日の出を見に行った鋸山で『地獄のぞき』に転落した際も、チュチュは神の垂らした蜘蛛の糸ではなく自らが集めたメンバーたちが垂らしたロープによって救済されます。*3

その際にRAS5人全員の内面的な世界の変化が完了し、RASの目標が文字通りの世界=他者に再定義され、その後バンドストーリー2章でチュチュの母親が立ちはだかる訳ですが…*4

元の名前ではなくバンドネームを名乗っているとしても、RASはこれまでの人生が刻まれた"DNA*5"を否定しませんからね。

また「自他を含めた有機的なフィードバック」はガルパ全体で描かれ続けているものであり、そこに反している時点でこれまでのバンドリに反していると言えます。

地獄だって構わない
あなたの元で生きれるなら
その度 感じたのは (Ah-)
カミサマなんて 要らないくらいの
完璧な (Beautiful World)


Beautiful Birthday / RAISE A SUILEN

見える 見える
見えないものが ほら
生まれ変わる 
ああ 本当の私に


黒のバースデイ / Ave Mujica

また、同じく生き辛さを感じている者としても、それでも過去も自分も全て抱きしめて進んでいくMyGO!!!!!もAve Mujicaとは対極の思想に位置しています。

僕になる それしか それしかできないだろう
誰の真似も 上手くやれないんだ
こんな痛い日々をなんで 退屈だって片付ける?
よろめきながらでも もがいているんだよ
迷い星のうた


迷星叫 / MyGO!!!!!



とどのつまり、Ave Mujicaとは"アンチバンドリ"のバンドです。
覆面レスラーの"ヒール"がバンドリ界に殴り込みにきた形です。

RASこそ元々ヒールとして設計されていた*6訳ですが、それ以上の脅威として、更に思想が異なるものが創られたと言えるでしょう。

MyGO!!!!!とAve Mujicaとセットで、既存のバンドリが取り零していた領域にテコを入れたとも言えます。



『Ave Mujica』の歩み~Mujina Carnival編

それではここから、Ave Mujicaの一連のプロモーション『Mujina Carnival』の顛末を書いていきます。

「"Mujina"=同じ穴の狢 ”Carnival”=祭り」なので名前を聞くとアングラなレイヴ的なものを想像するかと思いますが、雰囲気はそんな感じです。


先述のチラシ以降、カウントダウンのみで音沙汰の無かったAve Mujicaですが、カウントダウン終了前日の4/9開催の『MyGO!!!!! 4th LIVE 「前へ進む音の中で」』の会場に怪しげな展示が出現しました。

そして明くる4/10、公式サイトがカウントアップし「この世界のどこかに箱と手紙を届けました。」という文が出現。

4/10

YouTuberのえっちゃんのチャンネルにてMyGO!!!!!4thライブの会場に展示されていた箱と手紙の開封生放送が行われます。


生放送ではえっちゃんと視聴者が謎解きを行い、最終的にAve Mujicaの最初の楽曲『黒のバースデイ』のMVが公開されます。



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ちなみに手紙の内容は以下

「どうか…協力してほしい。
▒▒ともう一度会いたい。今となってはもう遅いかもしれない。
ただできるかぎりのことはしたいんです…。
だからお願いします。
どうかこの曲を広める手伝いをしてください。
この曲が多くの人の心に届けば、きっと▒▒に近づけると思うから。」

"この曲"とは『黒のバースデイ』です。
Mujina Carnivalが進んでいくとこの手紙の伏字の人名はおよそ二択に絞られるのですが、”この曲”を広めようとしている点で考察の余地のある一文になっています。

生放送後、公式サイトには謎の入力ボックスが出現し、ここに「BLACKBIRTHDAY」と入力するとMujina Carnival最初のストーリーである『ホントウノワタシ-再生-』の動画と「DEEP」と読める3D画像が出現します。
そして入力ボックスに「DEEP」と入力すると志村坂上の一地点を指した地図が表示され4/16の18~21時という日時が与えられます。

当時は「何かしらのイベントの日時だと思うけどゲリラライブでもやるのか?」みたいな憶測が飛び交っていました。

また、6/4開催のイベントが『Ave Mujica 0th LIVE「Primo die in scaena」』であることはこのタイミングで公開されました。

『ホントウノワタシ-再生-』の内容は、「生きることは緩やかに死んでいくのと同じ。」と考え、人生や人の繋がりの空虚さを感じながら退屈な日々を過ごしている莉伽という女学生が、ある日『黒のバースデイ』を聴いて誘われるようにAve Mujicaを追い始める。というもの。

友達の誕生日祝いを「時間を消費するアイテム」「明日には忘れてる」と一蹴している時点で、「絆」「約束」「今日の積み重ね」「アニバーサリー」など、これまでのバンドリが描いてきたものを凄い勢いで否定しています

正直この時点で、新バンドが”バンドリ”のウィークポイントを自覚的に突いてくるのを感じて襟を正しました。


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4/16

そして4/16のイベント当日、残念ながら私はD4DJの『UniChØrd×Abyssmare LIVE -NØVA-*7』参加の為にところざわサクラタウンに居たので当事者ではありませんでしたが、その内容は先述の地図の場所に行くと近辺のライブハウスに誘導され、そこで謎の女性からカードを渡されるというもので、その時の動画は後に公開されています。


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ここで配られるカードは招待状のようなデザインで、記載のQRコードを読み込むと404 Not Foundの画面が表示されますが、目を凝らすとAve Mujicaのアイコンがあり、それを押すとLINEアカウント『Mujina Carnival』に繋がるというものでした。
(私はTLに流れてきたQRコードからアクセスしたタチなのでうろ覚えですが、LINEアカウントへの分かりやすい窓口も間もなく公開されてたと思います)


また、このイベントに合わせてAve Mujicaの2曲目『ふたつの月 ~Deep Into The Forest~』のMVと2つ目のストーリー『マヨイコンダモリ-探索-』が公開されました。


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『マヨイコンダモリ-探索-』の内容は、Ave Mujicaに魅了された莉伽と、その友人である瑠奈が仲違いするというもの。
ここでAve Mujicaのファクターの一つが「迷い込んだ」でありMyGO!!!!!の「迷子」と対比される点であることがわかります。


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…ここまでが『Mujina Carnival』の最初のフェーズ、「LINEアカウントへの誘導」です。

特徴的なのは「当事者にさせられる感覚」「リアルタイム性」「選民的」といった点で、広く告知するというよりは既にAve Mujicaに興味もっている者に当事者意識を植え付けて離さないような手法が取られています。

そしてこの手法はここから更に”S”カレートしていきます。

Mujina Carnival


Mujina CarnivalのLINEは特定のワードに反応するbotになっており、最初にこちらの名前を定義させられます。

「狂気」と打ち込むと「狂気度」が分かり、以下のワードを打ち込むと「狂気度」が上昇する仕様です。

・バンドリの既存キャラの名前(ミッシェル含む)(RASは反応しない)
・バンドリの既存キャラの苗字(RASは反応しない)
・RASのバンドネーム
・バンドリのアニメシリーズのサブタイトル(ガルパピコ含む)
・Ave Mujicaの楽曲の歌詞及びMV内に登場する単語(全単語ではないが名詞に限らない)
・Mujina Carnivalのストーリーの台詞及び動画内に登場する単語(全単語ではないが名詞に限らない)
・Ave Mujicaの楽曲のタイトル
・Mujina Carnivalのストーリーのタイトル
・痕跡(後述)
・その他一部の単語

特定のキーワードに反応するようになっている
上昇していく狂気度

この仕様はヒントが無くユーザーが自力で法則を見つけなけれならないもので、例えば試しにキャラ名やサブタイを入力して反応があったとしても残り全てを打ち込む労力を考えると確かに「狂気」と呼ぶに相応しいでしょう。

また、全国のアニメショップや家電量販店やゲームセンター等に「痕跡」と呼ばれる二字熟語が掲示され、それらの単語にも反応したため、狂気度の理論値を達成するには各地の有志との情報共有が必須でした。

痕跡の例
よく見ると4/9の写真にも… 例外が存在した瞬間の絶望感凄いです

また、「Ave Mujicaの楽曲のタイトル」「Mujina Carnivalのストーリーのタイトル」「一部の痕跡」は入力すると謎解きが出題されるようになっており、正答を入力すると更に狂気度が上昇します。

謎解きの例 「正解はひとつ!じゃない!!

いわゆる脱出ゲームのノリに近いです。
Mujina Carnivalの謎解き問題の一覧は今度別の記事に残しておきます。
※9/20追記
謎解き問題の一覧記事作りました。
thzaq.hatenablog.com



上記の法則や痕跡をまとめるために間もなく有志によりスプレッドシートが作成され、Twitter上で共有されていきました。

が、しかし……

4/23

4/23にAve Mujicaの3曲目『Choir ‘S’ Choir』のMVとMujina Carnivalの3つ目のストーリー『コタエヲサガシテ-摩擦-』が公開されました。


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『コタエヲサガシテ-摩擦-』の内容は、瑠奈が莉伽を探し回る話。
キーワードを探す様など、瑠奈も我々と同じくMujina Carnivalの参加者になっていると考えてよいでしょう。


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そして、突如Mujina Carnivalにて「狂気度ランキング」が公開されました。

サバトの幕開け


え、これってデスゲームだったん?

また、Choir ‘S’ Choir内に隠れている訳わからんキーワードを入力していくと興味深い反応が返ってきます。

これ気付いた時は流石にキレそうになった
なるほど?


これにはかなり困惑しました。
上位者限定イベントとなると話が変わってきます。
またランキングの状態から、同点の場合は先着順に順位が付くことも判明しました。


そしてこれから間もなく追加の痕跡が全国にばら撒かれ、4/28 になると狂気度ランキングの上位100人?に5/7に行われるという「仮面舞踏会」の誘いが送られました。
(私はいくつかストーリー内のキーワードを逃しており、上位には入れてませんでした…)

5/7
残念ながらフォロワーからの貰いものです


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参加者から聞いた話によると、5/7の会場は横浜元町のダンスホール『クリフサイド』。

会場ではランダムに1種類×10枚のアルファベットの書かれたカードが配られ、それを元に2段階のゲームが行われました。

1つ目のゲームは、最終的に6文字の英単語ができるように会場内で交渉し、カードを交換していくゲーム。

交換する際はジャンケンをし、あいこならお互い渡したいカードを渡し、勝ち負けの場合は勝者は敗者の手札を見て任意カードを奪い、勝者は渡したいカードを渡すというもの。

制限時間終了時に完成した英単語と手札をゲームマスターに提示し、集めたアルファベットの種類の分だけチップを受け取り、英単語が作れなかった者はチップ1つあたり任意のアルファベット1枚でゲームマスターと交換して英単語を完成させます。

素直に利害が一致する者と交渉するか、欲しいカードのために持ち札について嘘をついて欺くかの駆け引きが重要で、人と人の繋がりの軽薄さを問題提起するAve Mujicaらしいシステムですね。

2つ目のゲームは、5か6人で卓を作り、他の人が作った英単語を当てるゲーム。

プレイヤーは順番にアルファベットを1つ宣言し、それを持っている者はそのカード公開して公開した数だけ宣言者にチップを渡すというもの。

アルファベットを宣言する代わりに誰か1人の英単語を言い当てることもでき、当てられた者は手札を全て公開して宣言者にチップを5つ渡します。

手札を全て公開した人はアルファベットの宣言ができなくなり、手札が残った最後の1人がチップをゲームマスターから5つ渡され、集計します。

そして最終的に参加者全体の上位12人に『プレリュード』の参加権が与えられました。
この12人が『掴んだ者』です。

プレリュードとは、「0th LIVEの前にあるらしい何か」です。

キオクトゲンソウ-過去-の最後に映る


また、イベントに合わせてAve Mujicaの4曲目『神さま、バカ』のMVとMujina Carnivalの4つ目のストーリー『キオクトゲンソウ-過去-』が公開されました。


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『キオクトゲンソウ-過去-』の内容は、莉伽と瑠奈の可愛らしい思い出話と、遂にAve Mujicaの尻尾を掴んだ瑠奈。



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ひとまず仮面舞踏会はこれで終了でしたが、問題はここからです。



後日このゲーム内で作られた英単語全てがMujina Carnivalのキーワードに加えられました。


……は?

勿論キーワードが増えたことの告知などはありません。

これは仮面舞踏会に参加したか否かで情報アドバンテージに大きな差が生まれてしまうように思えますが、結局のところ参加者も自分の卓以外を把握するのは難しいため、狂気度理論値を目指すには「全ての卓から1人以上ずつが情報提供し、相互扶助する」か「英字辞典に載っている6文字の英単語を片っ端から入れていく」の2択しかなくなります。

もちろん前者が成立するはずもなく、英字辞典と向き合ってキーワードを集め、見つけたキーワードを周囲に秘匿するか交換材料にするか、という個人主義的な競争になりました。

キオクトゲンソウ-過去-ではツイバードが露骨に描かれています
消えるツイバード、2023年8月現在はもうXですが…


ここで風向きが変わったと思います。


そして極めつけは5/12に先述のスプレッドシートが荒らされた事でしょう。

4/23のMujina Carnivalのメッセージがスプレッドシートに言及していたため、公式によって荒らされた説も浮上しましたが、荒らしの犯人はランキング上位者であり、競争が終了した後に名乗り出ています。

しかし、一度荒らしが起きたことで再度スプレッドシートが公開されることは無くなり、この騒動と入れ替わる形で台頭したDischordサーバーに情報共有の場はシフトしました。


ここで先に結果を言うと、Dischord内で引き続き作られたスプレッドシートの内容の合計値とランキング最上位の狂気度には5ポイント=1単語の差があり、非協力者がこの最後の1単語を守り切る形でMujina Carnivalは終わるのですが、この一連のゲームで『囚人のジレンマゲームにおける非協力者の勝利』が成立した事は、Ave Mujicaの思想の根底にある相互不理解そのものであり、コンテンツとして完璧な幕引きだったと思います。


以上より、英単語のキーワード追加によって『Mujina Carnival』は最終フェーズに移行したと言えるでしょう。


それからしばらくしてランキング上位陣が英単語をやっと狩りつくした頃の5/18に『選ばれた者』と『堕ちた者』について公開されました。


どうやら選ばれた者は先着らしく、開始時間も決まっているなど例によって選民的でした。
文字化けの方は文字化け変換ツールを使えば読めるようになっています。


そして文字化けの告知通り5/21の21時にAve Mujicaの5曲目『Mas?uerade Rhapsody Re?uest』のMVとMujina Carnivalの5つ目のストーリー『カクセイヘノウタ -招待-』が公開されました。



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『カクセイヘノウタ -招待-』の内容は、遂に莉伽と再会した瑠奈が、連鎖堕ちするようなもの。
この百合、ちょっとえっちなやつです。



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また、一部無反応だった痕跡がこのタイミングで謎解き出題キーワードに変化しました。

先述した通りランキングは先着順なので、文字化けの告知を読んでおかないとその時点で出遅れるというのがエグいです。
(私は出遅れました。)


この頃のキーワードの打ち込みの最後の方は終わりを感じさせる反応が目立ち、なかなかエモかったです。


5/22

5/22、遂に選ばれた者の謎解きが出題されます。
ちなみにこのTwitterでの告知よりLINEに直接送られてきたメッセージの方が4分ほど早かったです。

結果だけ言うと前日の出遅れは全く問題なく、私は選ばれた者に入る事ができました。

選ばれた者に届いたプレリュードの詳細

各解答の先着20人ということで100人…ではなく120人が選ばれたのですが、重複当選はしないので割と余裕がありましたね。
ランキング上位陣はここでほとんど入選したので、堕ちた者はこれまで律義に狂気度を上げていたのに5/22の20時に外せない用事があった人向けのバスケット的な枠だったと思います。

ちなみにこの時も回答に関するデマが出回ってひと悶着あったりでハラハラしました。


5/27に堕ちた者が確定することでMujina Carnivalの一連のゲームは終了し、プレリュードとマスカレード (0thライブ)を待つのみとなりました。

6/4
プレリュードのチケット


6/4『Ave Mujica 0th LIVE「Primo die in scaena」』当日、約2ヶ月続いたMujina Carnivalもこれで終わりと思うと寂しい気持ちになりながら中野サンプラザに向かったのを覚えています。
(余談ですが私は4月の頭に退職し、0thライブ翌日が転職先の入社日だったので無職期間=Mujina Carnivalみたいなところがありました。面接前とかめっちゃ黒のバースデイ聴いてました。)

プレリュードに入場すると100人ほどが前方ブロックに座らされていました。

そして薄暗いステージに黒のローブを纏い顔の見えない女性が現れ、舞い始めます。
スクリーンには文字が映り、莉伽と瑠奈の押し問答が響きます。

そして突然の通知音、会場のスピーカーから流れる音声の通知音と会場でマナーモードにしていない何人かのスマートフォンの通知音が同時に鳴った瞬間は鳥肌ものでした。

しばしの無音の中、会場の皆がLINEを開きます。

届いたメッセージは「ねえ、あなたは?[人間][人形]

私はそれまでのセリフを踏まえて人形を押しました。

通知音と共に送られる二択『人間』or『人形』



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その時流れたものはプレリュード終了後に公開されましたが、ここまでMujina Carnivalに付き合ってきた"関係者"としては代えがたい体験でした。


マスカレードの方の諸々の感想については割愛しますが、Roseliaの『Determination Symphony』をカバーしたのは余りにも業が深いです。

この歌は、相互不理解によって氷川日菜と袂を分けていた氷川紗夜が、たとえ分からないとしても妹と向き合おうとする決意の歌ですから……

ライブの最後にはAve Mujicaのメンバーが名乗りを上げて、新曲『Ave Mujica』を歌い、ミニアルバム『Alea jacta est』の発売情報を発表して幕引きとなりました。

この時のメンバーについては次項で書きます。

これ以降Mujina CarnivalのLINEアカウントは人間か?人形か?botになってしまい、以前反応したキーワードにも反応しなくなります。

それからしばらく経ってアニメ『It's MyGO!!!!!』の放送翌日の6/30、Mujina Carnivalは完全に役目を終えます。



これ以降Mujina CarnivalのLINEアカウントは『Alea jacta est』の告知botになり、やがて動かなくなりました。



……以上が『Mujina Carnival』の顛末です。

これはあくまで考察ですが、Mujina Carnivalとは単なる謎解きゲームではなく、SNSを介して囚人のジレンマゲームを意図的に発生させる社会実験的なプロモーションだったのではないでしょうか。

ゲームシステムからして必然的に、一定の時点で裏切り(情報の秘匿)を選んでしまいたくなるようなルールになっています。

その目的は実際に「人の繋がりの空虚さ」「相互不理解」を体験させることでAve Mujicaの世界観に引き込もうというものなのでは?…と思います。



真偽はともかく、少なくとも私は謎解きとインターネットを体験できて楽しかったですね!

『Ave Mujica』の歩み~BanG Dream! It's MyGO!!!!!編

1話冒頭から現れる、知らないけど多分知ってる女

上記の通りMujina Carnivalの終演と共に放送を開始したのがアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』ですが、未知数だったその内容は想像を遥かに超えていました

ここからは『It's MyGO!!!!!』以降のAve Mujicaについて書きます。

私の『It's MyGO!!!!!』の初見は6/28に池袋で開催された先行上映会でした。

地上波同様に1〜3話を続けて見る事になったのですが、上映が始まって1話アバン、画面に映ったのは燈と立希とそよと……!!!!?


その髪型と目の色と口調はオブリビオニス!?じゃあこっちはモーティス!?It's not MyGO!!!!!じゃん!!!


……初っ端から全く知らないバンドCRYCHIC』が登場し、グランドシネマサンシャインの席から飛び上がりそうになるくらい動揺させられました。

MyGO!!!!!とAve Mujica関連は全部追いかけていたのですが、元々一部メンバーが同じバンドだったなんて初耳です。
(まあチーム・サティスファクション*8的なやつだと超速理解しましたが…)


続いてカラオケのシーンでアイドルユニット『sumimi』の片割れとしてドロリスも登場します。
ドロリス=佐々木李子さんは歌声からほぼ確定していたのでこれは容易かったですが、それよりもsumimiのもう一方がどう聴いても桜田美夢な事に驚きました。
まさかバンドリに来た上で曲まで貰うとは…

1話のエンドクレジットで高尾奏音さん、渡瀬結月さん、佐々木李子さんの名前を確認し、やはりAve Mujicaの構成員だと確信します。

確信には根拠があり、それは0thライブの前方席にいた何人かからのタレコミでAve Mujicaの声優陣はおおよその見当が付いていたからです。


続いて4話ではティモリスが登場します。
こちらはまさかの椎名立希のクラスメイトでした。
しかも割と仲良しな様子。
Ave Mujicaって実はそんなに悪い奴じゃない?

5話ではアモーリスが登場。
こちらはYouTuberでした。
……なんか悪そう!!!YouTuberって悪なので。

という事でアニメ『It's MyGO!!!!!』には立て続けにAve Mujicaのメンバーが登場し、しかもMyGO!!!!!とガッツリ絡む感じになってきました。
これでMujina Carnivalの頃にはまだ確定していなかったMyGO!!!!! vs Ave Mujicaの構図が確実になります。


ちなみに余談ですが、0thライブで発表されたAve Mujicaメンバーの名前は『Mas?uerade Rhapsody Re?uest』のMVの間奏部分にて既に書かれていました。
端から端まで痕跡探しをしていると嫌でもここに行きつきますし、ラテン語っぽいけどムジカニちゃんは反応しなくて困惑……って感じでした。

筆記体なうえ鏡写しに反転してるので読みにくい


そして『It's MyGO!!!!!』を踏まえたAve Mujicaのメンバーの紹介は以下の通りになります。

Key.&Org.オブリビオニス
Oblivionis

ja.wikipedia.org

オブリビオニス / 豊川祥子(CV:高尾奏音)

口上は「我、忘却を恐れるなかれ」でした。

地名を付けるのがバンドリ特有の命名ルールですが、なんとAve Mujicaは月の地名
口上は名前のラテン語訳に対応したものになっています。

0thライブではボーカルのドロリスではなくキーボードのオブリビオニスが場を仕切っていました。
率先してMCするのがボーカルではないのは今井リサや桐ヶ谷透子の先例があるので珍しくはなかったですが、少なくともこの謎多きバンドのまとめ役が彼女であることは伺えます。

また、Mujina Carnivalのある謎解きの答え「OBLIVIOUS」に対する反応は示唆的なものでした。

アニメの続きを見ていけばこの伏字も読めるようになるかもしれません。

あとこれは与太ですが『キオクトゲンソウ -過去-』の冒頭の台詞は、忘却の名を冠した彼女に関わるヒントの可能性があります。

オブリビオニスの学歴ですが、お嬢様校である月ノ森女子学園の中等部を卒業し、進学校である羽丘女子学園の高等部に進学しているあたり、家に訳アリな気がします。
長崎そよや若葉睦、又は憧れのMorfonicaから距離を置くためかもしれませんが、月ノ森のイメージについてはわざわざ愛音が強調しているポイントなので何かしら活かされると思います。
(追記、これ長崎そよ真実で使われちゃいましたね)

Morfonicaの思想は「あなたの輝きが道を照らす」なので、反転して自分の輝きを見つけられない事がひとつの命題なのかなと思っています。
もうひとつの命題である"忘却"したいのはCRYCHICの事か、燈の事か、それとも初華の事か、それはアニメの話数が進めば分かる筈です。

居酒屋『Ave Mujica』のトイレに貼ってあるやつ


声優を担当する高尾奏音さんはノーフォーク農法*9などTLでお馴染みの声優ですが、作曲家の高尾奏之助さんを兄に持ち、自身もミラノ国際ジュニアピアノコンクールで最高位経験*10があるなどキーボード役としてはこれ以上ないバックボーンを持っています。

(ちなみに高尾奏之助さんはハロー、ハッピーワールド!の『えがお、み〜っけた!』などのバンドリ楽曲にもスタジオミュージシャンとして参加しています。)

0thライブでの演奏も裏拍の多い楽曲ながら見事なものでしたので、ライブ後のタレコミで彼女の名前が挙がった時は納得感がありました。


また、倉田ましろ役の進藤あまねさん・椎名立希役の林鼓子さんとは年齢も近く、プライベートでも親交があります。
これから先の"越境"が楽しみですね。


Gt.モーティス
Mortis

ja.wikipedia.org

モーティス / 若葉睦(CV:渡瀬結月)

口上は「我、死を恐れるなかれ」でした。

モーティスの学歴は、月ノ森女子学園中等部から高等部にそのまま内部進学した形です。
父は人気お笑い芸人の若葉(誰?)、母は女優の森みなみ(誰?)とのことで、月ノ森生らしいブルジョワ感があります。
無口で感情を表に出さないタイプでコミュニケーションも下手なので両親どちらにも似ていないあたり、やはり訳アリな家庭環境だと推測できます。

8/1現在も謎が多いキャラクターですが、7話では碧天伴走や春日影に反応する場面があるなど無口でも無感情ではない様子。

ですが"死"というワードを背負っている以上、自分の感情をできるだけ殺そうとしているのでは?という気がします。


また、Mujina Carnivalのある謎解きの答え「ZELOTYPIA」に対する反応は示唆的なものでした。

もっとギターが上手ければ〇〇に見捨てられずに済む。」と読めます。
当てはまるのは祥子な気がしますが、睦から祥子に執着しているシーンが今の所無いので、祥子と共通の幼馴染だったと仮定し、同じく7弦ギタリストの初華に執着しているのでは?と睨んでおきます。

あと与太ですが『ホントウノワタシ -再生-』の冒頭の台詞は死の名を冠した彼女に関わるものかもしれません。


モーティスを演じる渡瀬さんはLyrical Lilyの竹下みいこ役で馴染みがあるのですが、まさかギターを弾けるだなんて知らなかったのでこのキャスティングは衝撃でした。
とはいえ『D4DJ Groovy Mix』内で竹下みいこは、ポピパ・花園たえ役の大塚紗英さん演じる燐舞曲のGt.月見山渚と距離を縮めている仲でもあり、なんとなくミッシングリンクを見つけた気分です。

……モーティスもラップし始めたりしませんか?Diggy-MO’ですし…

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Vo.&Gt.ドロリス
Doloris

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ドロリス / 三角初華(CV:佐々木李子

口上は「我、悲しみを恐れるなかれ」でした。

アイドルユニット『sumimi』のギターと作詞作曲担当との事なので、あの虚無フワフワした歌詞を書いているのはドロリスということになります。
しかし楽屋の鏡に写る自分を「ひどい顔」と一蹴するなど満たされない想いを抱えていそうですね。

ドロリスは作詞ができるという事は、Ave Mujicaはドロリスが書いた歌詞に合わせてオブリビオニスが作曲する体制なのではないでしょうか。
本心で書いた歌詞の語彙力がDiggy-MO’の女、おもしれーと思います。

ドロリスの学歴は、中学校は不明ですが花咲川女子学園の高等部に在籍しています。
(追記 島?の住民だったらしいので中学は地方だったりするかもです)

花咲川はPastel*Palettesを輩出した学校であり、『It's MyGO!!!!!』時点では若宮イヴが在学中でもあるのでアイドル活動もしやすいのではないでしょうか。

オブリビオニスがMorfonicaに、椎名立希がAfterglowに憧れているのでひょっとしたらドロリスもPastel*Palettesに憧れてこの学校を選んだ可能性もあると思います。

プロフィールを見るに天体観測が好きらしく、同じく星が好きな戸山香澄・弦巻こころ・氷川日菜・高松燈に並ぶ伝説のプレインズウォーカーになりそうな予感がありますね。
(追記 幼少期のオブリビオニスと星を見た際に『星の鼓動』を感じている可能性もあります。)

また、Mujina Carnivalのある謎解きの答え「NIGHTMARE」に対する反応は示唆的なものでした。

「○○○○○ス」はオブリビオニスな気がするのですが文字数が合わないのが気になります。
これもアニメの続きを見ていけば伏字部分について納得できる答えが見つかるかもしれません。

あとこれは与太ですが、悲しみ=相互不理解だとすると『コタエヲサガシテ -摩擦-』の冒頭の台詞は彼女に関わるものの可能性があります。

ドロリスを演じる佐々木李子さんはアイドルアニメと縁が深く、クレーンゲールや邪神ちゃんドロップキック、キラッとプリ☆チャン、かげきしょうじょ!!などを経てきた訳ですが、ここに来てバンドリに参入しアイドルキャラというのは驚きました。
圧倒的な歌唱力を持っていらっしゃいますので『Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」』でのパフォーマンスも楽しみですね

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Good Night

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Ba.ティモリス
Timoris

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ティモリス / 八幡海鈴 (CV:岡田夢以)

口上は「我、恐れることを恐れるなかれ」でした。

ティモリスの学歴は、中学校は不明ですが花咲川女子学園の高等部に在籍しています。
ドロリス・椎名立希とはクラスメイトです。

30のバンドを掛け持ちつつ、そのどれも居場所としては認識していないようで、助っ人ミュージシャンとして活動していたかつてのレイヤやマスキングに近い悩みを抱えていそうです。
野良猫として色々なバンドを転々としているであろう要楽奈も近い存在かもしれません。

立希を気にかけつつもイジる茶目っ気があり、オブリビオニスやモーティス、ドロリスの明らかに胸の内がドロドロしていそうな雰囲気と比べると「まとも」そうな印象です。

このあたりはバンドリの不文律、『ベーシストは周りが見えている(自分が見えているとは限らない)』に則っていると思います。

とはいえAve Mujicaに加入する以上、まだ見ぬ地雷が埋まっているのかもしれませんね。

また、Mujina Carnivalのある謎解きの答え「LABYRINTH」に対する反応は示唆的なものでした。

いや、これはちょっと八幡海鈴とこじつけるのはまだ難しいのですが消去法だとこの組み合わせになるので……
今後に注目、くらいに留めさせてください。

更に与太ですが『マヨイコンダモリ -探索-』の冒頭の台詞も、「恐れることを恐れない」彼女に関する手がかりに思えます。

ティモリスを演じる岡田さんはMerm4idの水島茉莉花として日頃馴染みがあるのですが、やはりこちらもベースが弾けるなんて初耳でした
演技プランも茉莉花とは真逆です。
Merm4idとモデル業という今を楽しみながら女優という夢に向かって奔走する茉莉花とは全く違った姿が見られそうですので、このギャップにも注目すべきでしょう。


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*11


Dr.アモーリス
Amoris

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アモーリス / 祐天寺にゃむ (CV:米澤茜)

愛称は「にゃむち」。
コスメ系の人気配信者らしいが年齢は不明。
残念ながら学歴も分かりませんでした。
「祐天寺にゃむ」も本名では無いように思います。

プロフィールによるとコスメに限らず様々なジャンルに挑戦しているらしいので、コスメ配信だけでは満たされない何かがあるかもしれません。

正直、出番が少なすぎて今はっきり書けるものは何もないのですが、同じく伏せ札の多い純田まなの関係者だと面白いと思います*12

一つ考察すると、椎名立希の4つ上の姉(長崎そよの関係者)の席が空いているので、ここに祐天寺にゃむか純田まなを当てはめたくなります。

ですが、Ave Mujicaの他4人が同い年であること、椎名立希の4つ上となると湊友希那の世代の1つ上になることを踏まえるとガルパで現在進行中の大学編で使う設定の可能性も否めません。

こちらも今後に注目でしょう。
(憶測が多すぎてマジで”いかがでしたか?ブログ”っぽくなってきました)


また、『カクセイヘノウタ -招待-』の冒頭の台詞は、愛を冠する彼女に関する手がかりです。

既存のバンドリには「自分を偽らないための化粧」の象徴であるパレオが存在しているので、逆に自分を偽るタイプであり、コスメ配信者設定なのかなと予想しておきます。

そしてMujina Carnivalのある謎解きの答え「RHAPSODIC」に対する反応は示唆的なものでした。

……これ本当にアモーリスと関係あるか?
正直この項は「OBLIVIOUS」からの逆引きなのでかなり不安です。
祐天寺にゃむがポケモン配信を始めて役割論理を語り始める回が来れば逆転ホームランになるので一応載せておきます。


個人的には0thライブでのゴリゴリのドラム捌きに感銘を受けたこともあり、その印象が強かったのでコスメ配信者というキャラクター設定はギャップが凄いです。
アモーリスを演じる米澤茜さんは幼少期からドラムを嗜んでいたようで、そのプレイからは経験値の高さが伺えます。


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という事で『It's MyGO!!!!!』以降のAve Mujicaについて書きましたが、アニメを見ていればわかる通りAve Mujicaはまだ結成されていません。
それどころかMyGO!!!!!の結成も危うい状態です。
(8/10現在)

Ave Mujicaの結成までを描くとなると1クールでは収まらないので、アニメバンドリの2nd&3rdシーズンのように分割2クールになる気がしますね。


『Ave Mujica』って結局どういうバンド?

歯車を足す事で「∞」になるロゴ

ここまで時系列で長々とAve Mujicaについて書いてきましたが、結局"アンチバンドリ"概念であるAve Mujicaは具体的にどういうバンドなのでしょうか。

Mujina Carnivalにて描かれた莉伽と瑠奈のエピソードは、唯一の親友であっても腹の内は分からないというものでした。

また、『ホントウノワタシ-再生-』では上辺だけの人間関係について言及されています。

既にこの記事内で何度か出しているワードですが、これらの他者同士の断絶は相互不理解によるものです。

相互不理解とは他人同士が本質的に理解し合うことは不可能であるという概念です。
相互不理解が前提にある世界ではATフィールドを壊したり、トランザムバーストを起こしたりなどの超現象が起きない限り、人と人は分かり合えません

バンドリにおいて相互不理解は、主にガルパ内で氷川日菜を通して描かれてきたテーマです。

生まれながらの天才肌である日菜は特別な感性を持っており、他人の不出来が理解できず、特に努力家である双子の姉・氷川紗夜からは拒絶されていました。

日菜の場合はPastel*Palettesでの活動を経て「自分と全く異なる他者がいるからこそ、自分の存在が証明されている。だからこの世界は面白い。」と結論付くことで相互不理解が昇華されました。

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(高松燈の命題に関わる本質的な話です)

Wonderland Girl

Wonderland Girl

*13

また、日菜の羽丘天文部での後輩分にあたる高松燈も、その独特の感性から根強い相互不理解を抱えています。
幼児の頃に友達にダンゴムシをプレゼントして泣かれたり、流行りのドラマの感想が友達と全く違ったりと日菜に負けず劣らず深刻なものです。

ちょうどよく笑って「それわかる」とか
何故うまく言えないんだろう
本当の気持ちを加工しなくちゃ
「みんな」には なれないみたい


名無声 / MyGO!!!!!

僕であろうとするために この痛みがあるのなら
見失わないように 抱きしめている
誰かが望む理想には 僕は変われない
だから 何度だって
這い出して 声抱えて 生きる


潜在表明 / MyGO!!!!!

そんな燈を中心に『It's MyGO!!!!!』では大量のディスコミュニケーションが描かれます。
CRYCHICの解散もMyGO!!!!!の結成の難航も全ては相互不理解と言って良いでしょう。

具体例は挙げたらキリが無いですし、見ていれば分かると思いますので割愛……の予定でしたがその不和はAve Mujica内でも起きていたので追記します。

It's MyGO!!!!! 第8話

8話ではオブリビオニスとドロリスの馴れ初めが語られましたが、ドロリスはオブリビオニスと共に見た星空を初期衝動として天体観測が好きになりました。
一方でオブリビオニスの方は天体観測が好きな訳ではなく、なんとドロリスと一緒に捕まえたことからカブトムシが好きになっています。(3話)

つまり同じ体験をして、得たものが違うのです。

これは幼少期の戸山香澄と戸山明日香と全く同じシチュエーションです。

BanG Dream! 第1話

星空を見た香澄はこの時『ホシノコドウ』を感じますが、明日香は「心臓の音でしょ」と一蹴しています。

これは『バンドリ!』にて最初に描かれた相互不理解、とも言えるので、意図的なリフレインではないでしょうか。
香澄と明日香の断絶はアニメ3rd Seasonの12話にて緩和されましたが、明日香はまだホシノコドウを完全に理解していない状況です。

相互不理解はPoppin'Partyを中心とした”繋がり”の妨げの要因になりますが、バンドリ内では日菜以降もMorfonicaの広町七深八潮瑠唯などキャラクター単位で度々問題提起が行われてきました。
MyGO!!!!!とAve Mujicaにおいてはその相互不理解が主となるテーマとしてフィールドの中心に据えられたわけです。


そんな相互不理解前提の世界でAve Mujicaが何をするかというと人間の人形化です。

人形

Mujina Carnivalで語られた通り、人生・他者との関係・世界・日々の全てが空虚であり、その中の行動が主体的ではないことを自覚した=操り人形の糸を切った者にAve Mujicaは仮初めの魂=歯車を与えます。

しかしその歯車は完全な円ではなく欠けた月の形であり、一時的なもの。

CiRCLING! 円陣組もう
終わりのない形だからね


CiRCLING / Poppin'Party

それでもプレリュードマスカレードを繰り返すことで歯車を差替え蒔き直し続ければ永遠になれます。

「もっと回れば」とはこの歯車の事でしょう

過去は幻想に過ぎず、記憶など無くなってしまいます

歯車入りの人形になった者はパーソナリティや過去から解き放たれ、本当の私として活動できる。
そして人形として同質の存在=同じ穴の狢になることで相互不理解の世界でも他者同士が連帯できます。
(このセットが関係者かと)

以上がAve Mujicaの思想です。


次にAve Mujicaというバンド名についてですが、"Ave Mujica"は直訳すると「音楽の祝福あれ」「ようこそ音楽へ」みたいな感じでしょうか。

"Ave"はラテン語の少し硬めの挨拶に使われる言葉で、「ご機嫌よう」「お元気で」「おめでとう」「ようこそ」等に訳されます。

"Ave"は祝福と健康を祈るカジュアルな挨拶である"Salve"が短縮されたものであり……とインターネットに書いてありました。"safe"や"save"や"salvage"あたりが近い語源と言われれば確かに納得だと思います。

"Mujica"は"Music"の語源であるラテン語"Musica"のもじりであり、且つ、先述の”Mujina Carnival”の略称でしょう。"Musica"はそのまま「音楽」と訳されます。

"ミュージック"ではなく"ムジカ"という発音を認識すると、ドイツ人のモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の"ムジーク"部分って多分そうなんだなぁ…くらいに認識できるのが日本人から見たヨーロッパ語圏の面白い所であり、面倒くさい所ですね。

"Musica"は芸術や技芸・文芸を司る9柱の女神"muse"の元となるラテン語"Musa"から派生した言葉で、"museum"や世界史の古代ヘレニズムで出てくる"ムセイオン"などが近い言葉です。

ここで興味深いのは"Musa"=ムーサの女神たちは人々に芸の才能を授ける存在であること。当時優れた芸術家や技術者はムーサの祝福を受けたものとされていました。また、彼女たちが司る技芸は永遠性を伴うという記述もありました。人生は有限ですが芸術や学問は残り続けますからね。


そして何より、"Ave Mujica"と聞いて最初に連想するフレーズは「Ave Maria」でしょう。

聖歌として歌われるこのフレーズは新約聖書受胎告知の一節であり、処女であるマリアがキリストを身に宿したことを祝福する天使ガブリエラの台詞です。

つまり「Ave Mujica」とは訳すると「ようこそ、Mujina Carnivalの世界へ」という誘い文句であり『相手に"歯車"が与えられた告知』になります。


ここまでを踏まえるとAve Mujicaには一つの指向性が存在します。

空っぽであることを自覚した人間を糸の無い人形に変え、仮初めの魂(欠けた歯車)を与えること————それは受胎告知のようであり、ムーサの祝福のようであり————繰り返される「ようこそ、Ave Mujicaの世界へ」はMujina Carnivalの思想と世界観へ誘う文句であること。


要するにめっちゃ宗教です。

以上が「Ave Mujicaってどんなバンド?」の答えになります。

Ave Mujicaに近い存在『ルージュリフレクター』が敵として立ちはだかる

余談ですが『It's MyGO!!!!!』で脚本を務めている和場明子さんがシリーズ構成・メイン脚本を務めたアニメ『BLUE REFLECTION RAY/澪』のテーマも「想いはその人だけのもの=相互不理解」であり「それでも人は隣人を愛し、手を繋ぐことができる」と締め括っています。

かつてキリストが説いた隣人愛は相互不理解に対する希望となります。

橋から飛び降りそうに見えた燈に飛び込んだ祥子も、燈のノートを歌詞だと思って歌にした祥子も、燈の本意は理解せずとも燈の胸にあたたかさを刻んだ点で隣人愛が相互不理解を超えた瞬間です。

燈としても、祥子に絆創膏を渡しそれが相互不理解を超えたという経験から愛音にも同じアプローチをし、結果としてそれが愛音と絆になりました。

絆を創ると書いて絆創膏。隣人愛の象徴であるそれはバンドリにおいて大切なキズナの最初のマナになります。
バンドもバンドエイドのバンドなのかもしれませんね。

爪に絆創膏をうまく貼るのって難しいですよね

きっとMyGO!!!!!の皆ならば、人形にならずとも人と人が寄り添えることを教えてくれるはずです。

正反対の2人が交わる必要なんてないのだ

螺旋はいいよね


巻き貝の殻は螺旋を描いてるだろう?
螺旋っていうのは同じ所を回っているようで
実は少しずつ上に向けて登っていってる
変わらぬ日々を過ごしつつも
少しずつでいいから上に向かっていく
そうした人生を送りたいものだと思っていてね


同じ所を回っているように見えて
針が進むにつれて音楽で人生をアゲてくれるのがレコードだからね


小舟柳人 / D4DJ All Mix 第12話

それに、マスターの好きなレコードの溝も”螺旋”だしね!

『Ave Mujica』を作ったのは誰?

ここまでの用語がラテン語で統一されキリスト教的な要素をベースにしていること。特に"Ave"が出会いと別れの挨拶で「ごきげんよう」と訳されること。

ごきげんよう」自体がそもそもキリスト教の伝播と共に生まれた言葉ですが、バンドリの世界においてこの言葉は月ノ森女子学園の象徴であり、わざわざラテン語や聖書の言葉を使いそうなお嬢様といえば……そう、豊川祥子=オブリビオニスです。

豊川祥子がオブリビオニスに至るエピソードは未だ語られていませんが、少なくとも2023年7月29日現在はAve Mujicaの命名者は豊川祥子だと考えるのが妥当でしょう。


あとがき

ここまで長々と書いてきましたが「アンチバンドリ」だからといって切り分けるべきだと言いたい訳ではなく、また既存のバンドリありきだと言いたい訳でもなく、拡大していく「バンドリ」の一部として、既存のファンもMyGO!!!!!及びAve Mujicaからのファンも楽しめるものなのではないかと思います。

作中世界だけでなくコンテンツとファンの関係も有機的に広がっていくバンドリの魅力。
それは、声優・遠藤ゆりかを追いかけてバンドリの世界に入った身でありながら、聖書*14を読んで魂にBanG_Dream!が刻まれ、広がり続けるガルパの世界に没頭し、彼女が声優界から存在しなくなって久しい6年後の今も熱心にライブに通っている私自身が身をもって証明できるので…

以上でこの記事は終わりです。
それでは皆さん、Ave Mujica!

黒のバースデイ

黒のバースデイ

  • Ave Mujica
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[8/24追記]
この記事読んでもっとバンドリやMyGO!!!!!のことを知りたいと思った方向けに以下、頼れるフォロワー諸氏の記事を紹介します。

・本記事でも少しガルパの内容に触れていますが、MyGO!!!!!及びAve Mujicaから入ってガルパに触れるための導入としてはこちらがおすすめです。
「流石にガルパ触れるつもりはないけど…」という方もMyGO!!!!!及びAve Mujicaが突然無から湧いて出た訳ではないと大雑把に理解できると思いますので有益だと思います。
halkenborg.hatenablog.com

・「アニメ3期分+映画(ぽぴどり)は見てるよ!」という方にはこちらもおすすめです。
ポピパの指向するベクトルが分かると思います。
halkenborg.hatenablog.com

・『マジック:ザ・ギャザリング』か『デュエルマスターズ』を知っている方にとって"話が早い"記事はこちらです。
上記のブログでも「ポピパは難しい」とされていますが、MTGやDMの色ごとの思想・テキスト・背景ストーリーへの造詣があれば「ポピパは緑」で通じてしまうのが面白い所です。
youseitutor.hatenablog.com

・上述の『デュエルマスターズ』の中でも特に《CRYMAX ジャオウガ》についての造詣を深めたい方はこちらをどうぞ。
多分CSでも通用する内容です。
note.com

・バンドリに限らずバンドについて思案したい方はこちらです。
温故知新とはこのような試みの先にあるものです。
cemetrygates1919.hatenablog.com

・SproutsTOのツイート履歴
https://togetter.com/li/2180835

*1:『ガールズ ラジオ デイズ』とは、中日本高速道路株式会社と株式会社ドワンゴの共同制作による日本のインターネットラジオ番組。YouTubeニコニコ動画、リスンゴをプラットホームとして2018年12月14日から配信を開始し、2023年3月31日にサービスを終了した。公式略称は『ガルラジ』。NEXCO中日本各地のサービスエリアを拠点とした5チーム13人(後に14人)のキャラクターたちがラジオを放送するという体のアドリブ&お便り込みの音声コンテンツである。チーム双葉が素晴らしいです。

*2:憧れのアントは理解、理解のアントは共感。

*3:2020年7月15日~19日に公演された舞台『We are RAISE A SUILEN ~BanG Dream! The Stage~』で描かれた内容です。舞台の脚本はRASの生みの親である綾奈ゆにこ先生。アニメ『3rd season』の後日談であり映画『ぽっぴん’どりーむ!』の前日譚でもある本作はRASを語るには外せない一作です。

*4:ガルパ読んでください。

*5:
www.youtube.com

*6:Raychell(RAISE A SUILEN)×菊田大介Elements Garden)対談 『バンドリ!』史上異例の“RASサウンド”が出来上がるまで https://realsound.jp/2022/10/post-1158117.html

*7:とても良いライブでした。20時頃終演だったので全力で移動すれば志村坂上には間に合いますし、この2イベントを見事回したフォロワーもいました。

*8:「Ave Mujicaだった頃のお前はもっと輝いていたぞ!」

*9:「時代は今、ノーフォーク農法で~す!」

*10:
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*11:Live LIfe、早くコニファーフォレストで聴かせてくれ……

*12:たれ目で性格がグロそうな女、サイコー。

*13:『It's MyGO!!!!!』の世界観の前提のひとつであるガルパのイベント『What a Wonderful World !』から5年半、時の流れは恐ろしいです。 セットとなるこれらのカードも初期の名エピソードです。 youtu.be youtu.be 過去のイベント全部読めるのでみんなガルパやりましょう。

*14:小説『BanG_Dream!』は聖書と呼ばれ、著者の中村航さんはキリストと呼ばれています。 聖書を書いたのはキリストではないのですが、気にしたら負けです。 [asin:B0CCM9P5FM:detail]